column スキルってどうして必要なの?
昨今、スキルアップやリスキリングという言葉をよく耳にします。
しかしながら、「なぜスキルが必要なのか?」という根本的な問いについて言及した記事は見たことがありません。
そこでその根本的な理由を、人類の歴史を辿りながら、スキルの本質と重要性について迫っていきましょう。
歴史から見る"価値"の交換
直接交換の時代
まずは原始の時代から見てましょう。人々はどのように価値のやり取りをしていたのでしょうか?
想像してみましょう。
- りんごの栽培が得意なAさん
- 魚を捕るのが上手なBさん
お腹が空いたAさんは、自分のりんごとBさんの魚を交換します。
これが最も原始的な"価値の交換"、俗にいう物々交換という営みです。
- りんごを育てる"スキル" 誰かの空腹を満たす価値
- 魚を捕る"スキル" 誰かの栄養を補う価値
- 壺を作る"スキル" 誰かの生活を便利にする価値...
物と物の交換を通して、直接的な価値の交換が行われていました。
自分が持っているものと相手が持っているものを直接交換することで、お互いの需要を満たしていました。
直接交換 時代のポイント:
スキルは直接的な価値として交換されていた
間接交換の時代
物々交換には限界がありました。例えば…
-
「私のりんご10個は、あなたの魚何匹と等しいの?」
価値の基準が不明確
-
「私は魚が欲しいけど、あなたはりんごが欲しくない」
需要の不一致
-
「壺が欲しいけど、木の実と交換してくれる人がいない」
交換相手の制限
このような問題が発生するのは、想像に難くないでしょう。
これらの問題を解決するために登場したのが、貨幣です。
貨幣の登場により、「空腹を満たす価値」や「生活を便利にする価値」を一旦貨幣に変換し、
その貨幣で別の価値と交換する間接的な交換ができるようになりました。
直接交換できなかった価値も、"貨幣"という共通の価値を介することで自由に交換できるようになったのです。
交換の自由度が高まったことで爆誕したのが、現代の"ビジネス"と呼ばれるフレームワークです。
間接交換 時代のポイント:
貨幣という共通の価値尺度が生まれ、交換の自由度が高まった
スキルとは?
ここまでの歴史を踏まえ、「スキルとは何か?」
そして「スキルを身につけるとは?」を考えていきましょう。
原始の時代は時は流れ、テクノロジーは発展しました。
提供できる「価値」の種類、つまりスキルの種類も爆発的に増加しました。
しかしながら、根本的な枠組みは変わっていません。
現代社会でよく耳にするスキルの例を見てみましょう!
- プログラミング
多くの人の時間を節約する価値
- デザイン
情報伝達を効率化する価値
- マーケティング
多くの需要に供給を届ける価値
- コミュニケーション
人間関係を構築・維持する価値
これらの例から見えてくるのは、「スキル」の本質です。
スキルの本質:
スキル = 人の役に立つ能力/人を喜ばせる力
いかに多くの人の役に立てるか、
いかにたくさんの価値を提供できるかによって、得られる対価が決まります。
なぜスキルが必要なのか?
さてさてスキルの正体が掴めてきたところで、
「なぜスキルが必要なのか?」という問いの核心に迫っていきましょう。
答えは意外にシンプルで、
つまるところ、人生を豊かにするためです。
壺があった方が自分の人生が豊かになるから、りんごと壺を交換していたんです。
欲しいもの/サービスがあった方が人生がよくなるから、自分のスキルと貨幣を交換しているんです。
人生を豊かにするには、それに見合った価値を手に入れる必要がある
たくさんの価値を得るには、たくさんの貨幣が必要
たくさんの貨幣を得るためには、たくさん人の役に立つ必要がある
たくさん人の役に立つには、スキルという能力が必要
つまり「スキルを身につけましょう!」というメッセージは、
「自分が提供できる価値を増やしましょう」ということが言いたいわけです。
「スキルが必要だ!」と言われているワケは、
それが多くの価値を得ることにつながり、ひいては人生の豊かさにつながるからです。
まとめ:スキルは人生を豊かにする基盤
人類の歴史を通じて続いてきた「価値の交換」という文脈の中で、
自分の提供できる価値の量を最大化することが、人生を豊かにする法則です。
これは単なる流行や一時的なブームではなく、
人間社会の根本的な仕組みに基づいた、普遍的な真理なのです。
スキルを通じて価値を提供し、その対価として豊かな人生を手に入れる—
このシンプルな循環が、我々の人生を無限に豊かにしていくのです。